読書の夏ということで、先月夏の洋書市で購入した本を読みまくっています。
この暑さでカフェ利用が増え、おかげで読書がはかどってます。
その中で今回は、こちらの本について。
Meg Rosoff といえば、お若い方々へむけた著作(この本もそう)で有名。
彼女の一番新しい作品 "FRIENDS LIKE THESE" とか、なんとなく気になりつつ、でもまだ一冊も手に取ったことなく(そういう本がまだまだたくさんある)、だから夏の洋書市でこの本を見つけた時はそっこう手が伸びました。
本を開き、まず興味をそそられたのが出だしの一行。
Everyone talks about falling in love like it's the most miraculous, life-changing thing in the world.
さて。
どうですか?
もっとも奇跡的で人生が変わることのように誰もがフォーリンラブを語るけど、ホントにそうだと思います?
私はというと、、、恋愛とかロマンスとか、あんまり興味ないです。
いや、「愛」は信じてますよ。
だけど求める愛のかたちとなると、いわゆる恋愛とはちと異なるかなと。
なので小説なんかでも、恋愛ものに興味をひかれることはほぼないんですけど、でもだからこそ、この出だしのような匂わせぶり、気になります。
この一行から、これから恋愛話が展開されることはまず確か。
でも、こう切り出して典型的 Love&Romance で終わるはずはない。
きっとそれ以上の何かがこの中にはある、はず。
と、期待が高まりました。
この本は、海のそばのホリデーハウスで夏を満喫する(予定だった)一家族(両親と10代の子供4人)といとこ(4人の子供たちより年上)の物語。
ここに新たな存在が加わることで、楽しいはずの夏が、すべてが、変わります。
みんないとも簡単に騙されて、たとえ騙されてはいけないとわかっていても、抗いがたい気持ちを抱いてしまう人間の弱さ脆さ。
ストーリー展開は容易に想像できるものでありながら退屈だと感じないのは、主人公の鋭い観察力と、それにともなう心の動きが共感をよぶからで、どんどんページをめくってしまいます。
お若い方々がこの本を読む意味、ものすごくある、と私は思う。
これからたくさんの出会いがあるなかで、きっと役に立つときがあると思う。
そしてこの本、私自身が初心者だというのにおこがましいですが、洋書に興味を持ちながら、なかなか手を出せずにいる方、読みやすいんじゃないかと思います。
小さな文字で段落もあまりなく、ひたすらズラズラ綴られる分厚い本とは違い、改行改行で一文一文がはっきりしています。
そしてそのおかげでボイントになる単語も追いやすいので、確実にボキャブラリーを増やしていきたい方、この本使えると思います。
フォントも大きいし、改行も多いし、それぞれのチャプターも短かいし、245ページの本ですけど、実際は150ページ以下の本を読むくらいの意気込みでクリアできます。
私が英語を面白いなと思う理由の一つに、一言(または一単語)で意味を納得させてしまうメッセージ性というものがあります。
たとえば、こんなの。
"You don't pull up the roots, for God's sake."
これは主人公が夕食用のシーアスパラガス摘みをしている時に根から抜いてしまい、「お願いだから根を抜かないで」と咎められる場面。
感じかたは人それぞれですので、あくまで私の印象ですけど、この「根」を意味する "root" という単語、妙に訴えかけてくるものありません?
"root" と言われれば、根から抜いてはいけない理由を説明されなくても、その大切さを細胞レベルで感じとることができます。
洋書を読んでいると、他言語ゆえの気づきがあって面白いです。
”THE GREAT GODDEN” by MEG ROSOFF、夏の読み物として、また英語学習用として、なかなかよいのでは。。。
まだまだお暑い日々が続きそうですね。
Happy Summer and Take Care !!!
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