高知県立美術館で開催されたバーニー・ディーター「リトル・デス・クラブ」の翌日は、高知県立牧野植物園(またまた県立)を訪れました。
牧野植物園、いただいたリーフレットによると、高知が生んだ「日本の植物分類学の父」牧野富太郎博士の業績を顕彰するため、博士逝去の翌年1958年4月、高知市の五台山に開園。
五台山が選ばれた理由は、90歳を超えた牧野博士の一言、
「植物園を造るなら五台山がええ」
ちょうど今、NHK連続テレビ小説「らんまん」放送中ということで、博士も植物園も高知県も大注目を浴びてますが、テレビなしSNSなしその他諸々なしなしなしのなしなし生活を営む私は、恥ずかしながら「らんまん」のことなどまったく知らず、高知に着いて初めて知ったのでした。
乗車したタクシーは市街地を抜け、うねった細い道をどんどん上っていき、牧野植物園正面口に到着しました。
まずは荷物をコインロッカー(投入した100円はちゃんと戻ってくる)に預け、身軽になったところで園内地図を眺めるも約8haという広大さ、どのルートを辿ればいいのかまったくわからない。
降っていた雨は止み天気は曇天、懸念していた暑さも大したことない。
ひとまず、歩き出すか。
3000種類以上の植物が生い茂る牧野植物園。
生命力溢れる植物たちはどれひとつ同じものはなく、その神秘的なつくりについ足を止め見入ってしまいます。
牧野博士の有名な一言、
「私は植物の愛人としてこの地に生まれ来たように感じます。あるいは草木の精かも知れんと自分で自分を疑います。」
じゃないですけど、自然の中に身を置いていると、植物たちとの出会いが感動と喜びをもたらし、植物の尊さ、神々しさを、ひしひしと感じることができます。
また園内の植物たちには牧野博士の植物図が添えられていて、これがいいんですよ。
私は見つけるたびに思わず写真を撮ってしまいました。
いいと言えば、展示スペースなどに使用されている建築物もいいんですね。
いただいた建築案内によると、植物の持つ有機的な力の流れを視覚的に表現し、自由な空間構成と、自らを「草木の精」と呼んだ牧野博士の有機的な自然に対する考え方を、建築という場で形にした、とのこと。
この建築では「サスティナビリティー(持続性)」という考え方が一つのテーマになっていて、自然と人間が共生している仕組みを壊すことなく持続させていくためのしつらえであり、省資源・省エネルギーを超えて、環境への負荷をより少なくする考え方、ともありました。
木材がたくさん使用され、なめらかな曲線を描く建物は開放感があり、自然の中に違和感なく溶け込み、心から居心地の良い空間だなと思いました。
展示スペースには牧野博士が大正14年から亡くなるまで住んだ、練馬区大泉居宅内の書斎が復元されています。
晩年の博士はここで5万冊余りの蔵書に囲まれ、日夜机に向かい、研究に没頭したそうです。
建物の中にはショップ、カフェ、レストランもあります。
カフェは時間がなくて入れなかったけど、レストランではお昼ご飯にカレーをいただきました。
ショップではお土産をあれこれ買いました。
いろいろ購入した中で特に気に入ったのは、この「牧野富太郎植物画集」。
繊細で精巧で美しい「牧野式植物図」に魅せられ、思わず友達の分と自分の分、買ってしまいました。
この缶入りクッキーもお気に入り。
蓋を開けると、、、
甘い甘いお菓子の牧野植物園が詰まってる!
植物も売っていて、向かって一番左の、幹にヒョウ柄のような模様が入ってて物凄く欲しかった。
持ち帰れないから諦めたけど、880円ってどういうこと?
ゼロひとつ見落としたのかと思って見直したけど、やっぱり880円だった。
この日はお昼前から結構長い時間いたくせに、全然時間足りませんでした。
最後は駆け足で温室を見て回り、あっという間に帰りのタクシー予約の時間となりました。
後ろ髪引かれる思いで、また正面口へ戻りました。
オオオニバスの花は夜開く。
初めは白い花弁で甘い香りを放ち、翌日の夜に再び開くときは赤みを帯び、香りはないそうです。
その様子を映像で観ましたが、とても幻想的で美しかったです。
いいなぁ。。。
オトナですけど、私もこの葉にちょこんと腰かけてみたい。
子供のときにそんな体験したら、一生忘れられない宝物になりますね!
高知市内でさえ建物があるのはほんの一部。
ここはほんとに自然豊かな土地なんだなと、この景色を眺めジーンとしました。
飛行機乗っちゃえばあっという間だし、パスポートもビザもいらない。
牧野植物園も高知県も是非また訪れたいです。
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