変幻自在

二度と訪れない今この時、はやくシャッターきらないと。

【フィルムスキャナーで昔のフィルムをデジタル化】息をのむ美しさ アイルランド ドネゴール 1997年

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

 

モノクロフィルムにおさめられた、私の「記憶に残っている、あの日」を家庭用フィルムスキャナーでデジタル化してみました。

 

時は1997年1月、アイルランド北西部ドネゴール。

ここで私は一生忘れられない旅の思い出を作りました。

 

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その頃、私は留学先であるイギリス・ロンドンにいました。

留学とは名ばかり、実際はひたすら遊び倒した遊学でした。

その遊学から、とうとう日本へ帰国することになり、パッキングに追われるさなか、かなりの強行スケジュールでアイルランドへ行きました。

アイルランドという地にはロンドンへ旅立つ前から、何故か強くひかれるものがあり、遠く離れた日本へ帰国する前に意地でも行きたかったのです。

 

ロンドンから極寒のアイルランド・ダブリン着。

宿も取らずに飛び出したので、まずは泊るところを探さなくてはなりませんでした。

年齢を重ね、旅先の宿にたいする多少のこだわりもできたので、今は事前に宿泊先をおさえてから旅に出ますが、若い頃は、泊るところなんてどこでもよかったので、たいがい大きな駅周辺、「空室あり」の看板を出している宿に適当に泊っていました。

でも不思議なことに、それでどこにも泊まれず困ったことも、酷い宿でムカついたこともないんですよね。

むしろどの旅でも、料金以上に快適な思いをさせてもらった記憶しかなく、それは本当に有難いことだと思っています。

 

この時は確か、ダブリン1泊、バスで北西部に位置するドネゴールへ移動して1泊、ダブリンに戻って1泊、みたいな感じだったと思います。

何故ドネゴールへ行こうと思ったのか、まったく覚えていないのですが、このドネゴールという場所が、とにかく美しかった。。。

 

スマホもなくガイド本もありませんでしたので、訪れた土地を、ただあてずっぽうに歩き回る旅でした。

ドイツ・ベルリンを旅したときのネガフィルムをフィルムスキャナーでデジタル化したときに書いた記事にも、ベルリンのどこを歩いていたんだか全くわからないと書きましたが、このアイルランドの旅でも、ネガフィルムを見返したところで、どこを歩いていたんだか、さっぱりわかりません。

 

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ネガフィルムは、コダック社のトライ-Xというモノクロフィルム36本撮りが1本残っているだけ。

ダブリンでのショットは1コマもなく、ドネゴールで撮影したもののみ。

ダブリンで撮影したフィルムは紛失してしまい、いくら探しても見当たりません。

でも、たとえ一部でも、このドネゴールの写真が残っていただけで充分満足しています。

何故なら私はここドネゴールで、一生忘れられない風景と出合い、その時のショットはしっかり残っているからです。

 

街中を離れた私は、肌をきるように冷たい澄んだ空気を全身で感じながら、人っ子一人いないぬかるみを歩いていました。

足場の悪い泥道を、口から真っ白な息を吐きながら前へと進む私。

 

これ以上行っても仕方ないかな、引き返そうかなと思い出していた矢先のことでした。

この世のものとは思えない、あの世を連想させる風景が眼前にひらけたのは。

 

 

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あまりの美しさに息をのみました。

 

水場と白鳥と少しづつ薔薇色に染まっていく空。

この時ほど、風景に心を揺さぶられたことはありません。

ただじっと、白鳥と刻一刻と変化する空を見つめていました。

 

その間、地元の方が、たった一人だけ通りかかりました。

眼の前にひろがる美しい風景に魅了されている私に、その男性はニコッと微笑み、こう言って姿を消しました。

「きみは今、きみの時間を楽しんでいるんだね。心ゆくまで満喫してね!」

 

その夜は、宿のおじさんが作ってくれた夕食(魚料理だった)をたらふく食べ、あったかいお風呂にどっぷり浸かり、死んだように眠りました。

大げさかもしれないけれど、心の中にこの風景があれば、どんなことが起きても私は生きていける、そんなふうに思える、ドネゴールでの、私の、「記憶に残っている、あの日」です。

 

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今回もフィルムスキャナーは、日本の光学製品専門メーカーであるケンコーのKFS-14WSを使用しました。

使いやすくて気に入ってます。  

 

 

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