変幻自在

where the flowers bloom at midnight

哲学の庭

「初めての益子、ワグナー・ナンドール・アートギャラリーへの旅、2022秋」からの続きです。

 

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ワグナー・ナンドール・アートギャラリーといって、真っ先に頭に浮かぶのは、やはり、「哲学の庭」。

 

 

「哲学の庭」は、キリスト像や老子像、釈迦像などの彫刻像で構成される、ワグナー・ナンドールさんの集大成ともいえる作品。

ドナウの叫び ワグナー・ナンドール物語 / 下村徹著によると、ナンドールさんは彫刻家としての自分が何をすべきか、何が出来るかを思案し続け、その結果としてつくられたのがこの作品とのこと。

ナンドールさんは、第2次世界大戦で兵士として戦い、傷つき、戦後はソ連の戦車に蹂躙され、祖国を離れなければなりませんでした(スウェーデンへの亡命は命がけだった)。

 

 

「哲学の庭」は、世界を象徴する真ん中の球を中心に3つの輪が広がり、異なった宗教や文化、思想などをあらわす人物像が同じ円上に配置されています。

これは前回の記事にも記したナンドールさんの想い、異なる部分を取り上げて否定するのではなく、受け入れ、手を取り合うしか世界平和への道はないという思想(相違点よりも共通点を探す)に繋がるかと思います。

以下は、ワグナー・ナンドール・アートギャラリーでいただいた資料から、この「哲学の庭」によるナンドールさんのおもいと、それぞれの輪に対する説明です。

 

世界の異なった場所の人々が、より相手に近づくことが出来るようになるためには、プラス・マイナス・ワン(±1)の原点に立ち返ることが必要です。もし我々が、倫理と法の原点を受け容れるならば、全人類のために共通の法律を作ることがよりたやすくなります。「哲学の庭」はこの方向への歩みです。この道は人類の進歩を示し、時代と共に新しい人類共通の法を作る問題を投げかけ、考える道を開いています。私は悲観論者ではありませんが、21世紀になってもこの問題は解決されるとは思いません。しかし、私はこの方向に向かって進むべきだと確信するのです。

 

第一の輪

中心点に集まる完全な輪で、異なった文化を象徴する、思想を作り世界の大きな宗教の祖となった人物像

老子、キリスト、釈迦、アブラハム、エクナトン

 

第二の輪

文化や時代が違っても、同じように悟りの境地に達してそれぞれの社会で実践し成果を得た人物像

達磨大師、聖フランシス、ガンジー

 

第三の輪

法の輪で、異なった時代において各々が法をつくり、現存する法律の主流をつくった人物像

聖徳太子、ユスティニアヌス、ハムラビ

 



異なる宗教や文化、思想を持っていても住んでる世界はひとつだけ。

この「哲学の庭」から私は、ナンドールさんの物事を冷静に見つめる眼差しと、一切ブレることのない真っ直ぐな情熱を感じました。

「哲学の庭」はまた、東京都中野区にある哲学堂公園とハンガリー・ブタペスト市ゲレルトの丘にも建立されており見ることが出来ます。

 

生涯を通して平和を訴え続けたナンドールさんと奥様のちよさん。

ご夫婦が築き上げ残してくれたのものを、しっかりと受け止め、そして後世に繋げなくてはならないと強く思いました。

 

 

ワグナー・ナンドール・アートギャラリー、まだまだ見たりなかったのですが、ここは里山、夜でも明るい都会ではありません。

しかも私の足は徒歩。

残りは明日見るとして、今夜のお宿へ移動しなくてはならない時間となりました。

ギャラリースタッフの方々が教えてくれた近道は舗装された道へ出る前に山の中を通るので、なおさらです。

地図を見ながら慎重に山道を抜け、宿までどれくらい歩いたか、30分はかかってないと思うのですが、実は今回の旅でワグナー・ナンドール・アートギャラリーに続き、もうひとつの楽しみ、本日のお宿「ましこ悠和館」へ到着しました。

 

ましこ悠和館

 

ましこ悠和館は明治15年、奥日光にて「南間ホテル」として創業し、上皇陛下が皇太子時代、学童疎開の折に滞在された建物です。

当時の上皇陛下は、「終戦の詔書」の玉音放送もこちらでおききになられたそうです。

ましこ悠和館においてあった小・中学生向けの冊子によると、皇太子時代の上皇陛下は大きなラジオの前に正座して、雑音が多く途切れ途切れの玉音放送を身動きせずに聴き入り、放送後、職員から内容についての説明を受けたそうです。

そしてその日の日記には、天皇陛下を助けて国の再建をしてゆく決意を書かれたとありました。

 

その「南間ホテル」は1973年に益子町へ移築され、「益子南間壮」「平成館」と名を改めて歴史を刻み、2019年「ましこ悠和館」として開館、平和を学ぶ拠点、平和ギャラリーを備えた宿泊施設として生まれ変わりました。

私は、その歴史的建造物がどのように改修されたのか興味を持ち、今回ここに宿泊してみることにしました。

 

 

お部屋は全5室18畳以上とゆったりしていて、木のぬくもりを感じる造りがとてもよかったです。

また、創業当時の調度品などに現代の様式が自然に融合していました。

 

たとえばこんな趣あるドア。

 

思わずドアーと言いたくなるドア

 

お茶セットはこんな感じ。

 

置いてあった「道の駅ましこブレンド」、コクがあって美味しかった

 

お夕飯はついてないので、一番近いという飲食店(それでも片道徒歩20分)へ行きました。

そして飲食店へと向かう途中、とても幻想的な風景と出会いました。

青く染まる薄暗闇の中、グワグワグワグワッっと、騒々しいくらいの鳥たちの鳴き声が響き渡っていて、一体何事だと覗き込んだら、ニンゲンの知らない世界が営まれていました。

その美しさ、今でもしっかりと脳裏に焼きついています。

 

 

たかだか1泊2日の小旅行で、何故にこんなに引っ張ってしまうのか自分でも不思議ですが、今回の旅日記、なんとまだ続きます。

次回は2日目の朝から。

 

ひとまず、おやすみなさい

闇夜にそびえる「ましこ悠和館」もまた、美しい

 

 

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