変幻自在ブックス

At Midnight, I Become a Monster

初めて買ったカメラは、LEICA R4 だった。

もうずいぶん昔の話ですが、突然、写真でも撮るかと思い立ち、カメラを買いに銀座のレモン社へ行きました。

周囲に写真関係の仕事をしている人がいたわけでもなく、また、写真を趣味としている友人知人がいたわけでもなく、ほんと急に閃きました。

初めてのカメラを買いにむかった先が何故にレモン社だったのか、そして何も分からない若造が何故にライカだったのか、その辺のことはもう覚えてもいませんが、たぶん、ライカの見た目に惹かれたとか、そういう安易な理由だったのだろうと思います。

 

レモン社店内へ足を踏み入れると、男性スタッフが対応してくれました。

とはいえ、非常に素っ気ない接客で(どうしてライカじゃないとダメだったのかは覚えてないけど、この時の店内での光景は今でもよく覚えてる)、まさかこんな子供が買うわけないと思ったのかもしれません。

そりゃそうだろうと思います。

この記事を書くにあたりレモン社のサイトを見てみたら、「新しい何かに出会える 大人が来て見るだけでも楽しい そんな店舗を目指しています」とありました。

要所要所で「大人」というキーワードが強調されていて、コンセプトは「大人の趣味の店」とのこと。

やはり当時の私は、かなり場違いな客だったようです。

 

でも私はこの時、ガラスケースの中に並んでいたライカR4と、すすめられたレンズ、ズミクロンR 50mmを買いました。

Rシリーズはライカの中でいえば、かなり買いやすいお値段。

ですが、この時の私、よく買えたなと思います。

アルバイトしてたし、たぶんそれくらいのお金はあったんだな、きっと。

ぜんぜん覚えてないけど。

 

カメラを買ってまもなく、イギリスへ留学することになりました。

もちろんR4も持っていきましたが、今から思うと、もっとがむしゃらに、日々写真を撮ればよかったと後悔しています。

学生で時間があったのだから、そのうえ勉強もろくにしないで遊び倒していたのだから、写真くらいどうしてもっと貪欲に撮らなかったのかと。

 

日本へ戻り、しばらくして社会人になりました。

どうしても組織に馴染めず、また自分の仕事にモチベーションも見出せず、ずーっとモヤモヤした日々を過ごしていました。

ところがそんなある日、ひょんなことから、趣味のひとつ(写真ではない)が仕事になってしまい、生活が一変しました。

人生、何があるか分かりません。

オンオフ関係なくどんどんのめり込み、写真からも気持ちが離れました。

カメラを持ち歩くこともなくなりました。

ずっと、その仕事を続けるのだろうと思っていました。

 

ところがその仕事に就いて16年目に入ってまもなく、とんでもないことが起こりました。

人生、何があるか分からないし、絶対なんて、ほんっっっとにない。

仕事なんてやってる場合じゃなくなり、やめました。

 

仕事をやめたのとコロナ禍により、世の中の皆さま同様、私も自宅で過ごす時間が増え、自分とむき合うことになりました。

これまでの人生を見つめ直し、そしてまた、これからの人生を模索する日々。

でも、そう簡単に答えが出るわけなく、途方に暮れていた時、ずっと放置していたフィルムとの再会がありました。

昔、写真にはまっていた時に撮ったフィルム、だいぶ紛失してますが、それでも無造作にドサッと、捨てずに箱の中に入っていた。

写真への興味が蘇りました。

 

昔撮ったフィルムを見直してて面白いのは、昔と今、いいと思う写真がぜんぜん違うのです。

昔、妙に思い入れあったショットが、今見ると何てことなく、逆に昔まったくスルーしていたショットが、今見ると何だか非常に気になる。

これも、年齢を重ねたせいでしょうか。

 

また、写真を撮り始めることになるなんて、夢にも思いませんでした。

私と写真の間には、長い長い空白の期間があります。

なんせ、やっと最近また、撮り始めたところ。

それを埋めるつもりで、もっと、ガンガン撮らなくてはなりません。

そしてもっと、写真を知らなければなりません。

今は素人写真しか撮れてませんが、いつか唯一無二の写真が撮りたいです。

そんな写真、私に撮れるのだろうかと思ったりもしますが、でも、人生は、本当に、何があるか分かりませんから。

 

 

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ライカR4、強靭ですよ~。

昔、ボディを電信柱に激突させましたが、何事も起こらず、我がR4、いたって平常心でした~。

 

 

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