なが~い冬の夜は、
キャンドルを灯し、
ブランケットに包まって、
温かいものでも飲みながら、
こんな古代世界に浸るのはいかがでしょう?
この本、今から100年近く前の1926年、オシリス神の墓の存在を信じてエジプト探検旅行へ出発したアマチュアエジプト学者 Emily Sands エミリー・サンズが残した、スクラップブック的日誌の複製。
その4年前の1922年にツタンカーメンの墓が発見されているので、古代遺跡発掘に沸いていた時代だったようですが、彼女の探検隊はいくつかの進展報告があったものの、突如砂漠に姿を消し、その消息不明の謎は未だ解決されていないとのこと。。。
そんなわけでこの日誌も、コーヒーか何かのシミがついたページを残し、不意に終わるのですけど、私的にこの本なにが面白いかって、まずあげたいのがあちこちに散りばめられた仕掛けの数々。
ピラミッドのイラストを捲ると簡単な解説と見取り図が記されていたり、ミイラ化に使用された切れ端やサンズが買ったというヒエログリフ(象形文字)の読み方小冊子が貼り付けてあったり、封筒を開けるとポストカードやトラベルタグが入っていたり、この本、対象年齢6歳以上、ジャンルとしては子供向けだけど大人だって!
ただページを捲るだけでワクワクして、心が豊かになっていくのを感じます。
こんな感じで"Japanology"を作ったらどうなるか、そんなことを考えても楽しくなってきます。
もちろん仕掛けだけでなく、内容も充実していると私は思います。
古代エジプトの様子を忠実に描いた美しいイラスト、そしてそれらに添えられたサンズの解説は非常に興味深いものです。
赤い宝石が埋め込まれたゴールドカバーが印象的なこの本は、贈り物としてもよいと思うのですがどうでしょう。
そういえば12月25日の日誌もあるしクリスマスプレゼントとか、なんていう発想は安易過ぎます?
ページの間にサンズへ宛てられたクリスマス・カードが挟まれていて(ほんと手が込んでる!)、探検の様子に加え、turkeyの代わりにroast muttonでお祝いしたことなど、クリスマスのエピソードが書かれています。
We had no turkey ー so rewarded them instead with roast mutton !
制作に携わった方々の深い愛情を感じる一冊。
"Egyptology : Search for the Tomb of Osiris"
日本語版は「エジプト学ーオシリス神の墓を求めて」、今人舎より出版されています。
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